新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
「そう」
母が頷くのを見て、言葉がこぼれた。
「息子さんの……結婚相手にどうかって。あ、あのね、分かってるの。息子さんも、お医者様だっていうし、私には……。お母さん、どうしよう。お会いするだけならって答えちゃった」
母に話しながら、自分には分不相応だとの実感が湧いてくる。
母に伝えるために口に出したお陰で、冷静になってみれば、お会いするだけでも恐れ多い気持ちになった。
中村先生によれば、息子さんも医師をしており、年は35歳。
確かに年上ではあるけれど、私からしたら若い。
世間一般でも、35歳の独身男性は今のご時世ありふれている。
急いで結婚をしなくても、と思う。
何よりお医者様だ。放っておいてもおモテになるのではないだろうか。
初めが中村先生に結婚を申し込まれたと勘違いしたせいで、その後に何を言われても驚けなかったのだ。
とんでもない返事をしてしまった後悔が、後から後から押し寄せる。
目まぐるしく襲う不安にさいなまれていると、母は驚きもせず変わらず穏やかに告げた。
「そう。いいじゃない。お会いしてみれば」
「え……」