新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

「ね、座ろう」

 母に誘われ、カウンターに腰掛ける。

 いつも、閉店後のカウンターに親子で二人。
 並んで座り、残り物の惣菜を夕食にする。
 どの惣菜も母の愛情たっぷりだ。

 忙しい母が私のために時間を作ってくれる、小さな頃から大好きな時間。

 母に何か言わなきゃいけない時、嬉しい内容も、つらくなるような内容も。
 並んで座るこのカウンターで、ポツリポツリと話す私の話を聞いてくれる。

 そしてなにがあっても、全部受け止めてくれた母。

 今回の件はどう切り出そうかと考えあぐね、そのまま話そうと腹を据えた。

「中村先生が、その、息子さんと会ってみないかって誘ってくださって」

 結婚については言い出しづらくて、つい伏せてしまった。
 息子さんに会わないか、というのは嘘ではない。

< 11 / 229 >

この作品をシェア

pagetop