晴れた日に降る雨のように
「町田先輩?」

横から聞こえた後輩の言葉に、私は慌てて思考を戻すとニコリと笑顔を作る。

「ごめんごめん。早速この企画やっつけちゃおう」

3歳年下の後輩の男の子は、目を輝かせて仕事をしている。

ただ楽しい時期なのだろう。

私と言えば、上司、部下、いろいろなしがらみと戦いながら毎日仕事をしている。

だから祐樹だってわかってくれる。

そんな思いで、パパっとグループラインにメッセージを送ろうとスマホの画面に指を滑らせる。

【ごめん。仕事が終わらないから今日はパスで……。また次回に】

「先輩ここって」

そこまで文字を入力したところで、呼び止められてスマホを机の中にしまった。
< 15 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop