晴れた日に降る雨のように
時間は流れて行く。

あの日の告白から数年たつと、私も祐樹も変化を余儀なくされていた。

「町田さん!これもお願いできる?」

入社していつのまにか5年が過ぎ、私が望んでいないとしても、責任も後輩も必然的にできる。

「……大丈夫です」

少しの間と、こころの中では大きなため息とともに私は言葉を発した。

そしてチラリとスマホに視線を送ってすぐに、私はパソコンに向かい始めた。

今日は第三金曜日。

付き合いだしてからも変わらずある、大学のサークルの飲み会の日だ。

もうどれぐらい行ってない?

仕事だから仕方ないという言い訳とともに、行かなくなった飲み会。

そして祐樹ともゆっくりと過ごせていない日々……。

『あき?まだ終わらない?』

『もう少しだけ』

持ち帰りの仕事の書類から、祐樹にも顔を向けず答えた自分の昨日の姿が脳裏に浮かんだ。

その後、祐樹は何を言ってた?

思い出そうとしても、表情も言葉も思い出せなかった。

祐樹だって忙しい中、昨日も来てくれたのは解っていたが、どうしても仕事をしなければいけなかった。

そして気が付いた時には祐樹の姿は部屋にはなかった。

『待っていてくれてもよかったのに……』

そんな自分勝手な思いが浮かんでは消えていった。
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