ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「うわあ、美味しいよ! これが醤油っていう調味料の味付けなんだね。ものすごく深みがあるし、塩とは違ってまろやかだし、この独特な風味が豚肉に合うね」

 ミメットは、焼きたての生姜焼きに舌鼓を打った。どうやら醤油味は彼女の口に合ったらしい。

「良かったです。こってりしているから、キャベツの千切りが美味しいでしょう?」

「うん、口がさっぱりしていいね。肉、野菜、肉、野菜ってなって止まらないね」

 ミメットは生姜焼きとキャベツのハーモニーに夢中だ。

「……すまん、俺には美味いとしか言えない!」

 そう言って、あとはガツガツと肉を食べるのはルディだ。『味見隊長』であるが、感想は言葉よりも食べっぷりを見て欲しい、ということであろう。

「うん、いいよ、この醤油味っていいと思うよ。これはこれから『青弓亭』で積極的に使っていきたいな」

 ミメットの言葉に、エリナはほっと胸を撫で下ろした。

「ああ、良かった。……うーん、やっぱりお肉の味が抜群にいいですよね! 生姜の風味で豚肉のコクが引き立てられて、めちゃくちゃ美味しいです」

 作った本人のエリナも、夢中になって食べている。

(ああ、毎日美味しいものがお腹いっぱいに食べられて、この世界に来て本当に幸せだなぁ……)

 いい笑顔で、もきゅもきゅと喜んでごはんを食べるエリナの姿に、生姜焼きに夢中なはずのルディとミメットが(か、可愛すぎる……)と萌えていることに、当のエリナは気づいていなかった。
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