ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
(エリナはフェンリルの姿に怯えたわけではない、というわけか)

 ルディは考えた。

(ということは、人間の姿を恐ろしく感じたのだな。もしや、エリナは人間に酷い目に遭わされていたのでは無いだろうか? そう言えば、サファンたちと会った時も、彼らが半獣化してみせてから急に懐いていたな)

 いや、それは違う。
 エリナは19の乙女であるため、イケメン男性にはそうそう触るわけにはいかないのだ。
 しかし、肩から上を獣化したモフッとした狐の毛並みを目の前にしたときに、エリナの中では『若い男性』という認識が『可愛い狐さん』にすり替わってしまい、結果としてあっけなく陥落しただけである。

 だが、ルディは勘違いしていた。

(男の姿を嫌がるのなら、エリナの前では人間の姿になるのはやめよう)

 というわけで、ルディはフェンリルの姿に変わると、器用にドアを開けた。

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