ねこねこ幼女の愛情ごはん～異世界でもふもふ達に料理を作ります！～

「仕事を探していたわたしを快く雇ってくれて、料理を任せてくれたんです。それに、ミメットさんの包丁捌きは凄いんですよ！　ミメットさんのおかげで、わたしは作りたい料理が作れるし、たくさんのお客さんに喜んでもらえるんです」

「んもう、エリナったら！」

　ミメットは、エリナを抱き上げて頬擦りした。

「本当に可愛い子猫なんだから！　エリナがいなかったら、あたしは毎日半分炭になった生肉しか作れないままだったよ！」

「あはははは、ミメット、そりゃ大変だな！　……さすがにそれは……え？」

　ギギリクは冗談だと思って笑い飛ばそうとしたが、暗い瞳で彼を見つめる警備隊員たち（半分炭になった生肉経験者）の視線を受けて、言葉を切った。

「まさかな、まさか、大袈裟な冗談ではなくて、本当に……？」

　隊員たちは素早く目を逸らすと、口々に言った。

「いやー、エリナが来てから、毎日美味しい朝飯が食べられて、ありがたいな」

「ああ、本当にエリナには感謝してるんだ！」

「うんうん、今の『青弓亭』は、料理が美味いいい店だものな」

「うわ……す、すまない……」

　やたらと明るい言葉をかけられたギギリクは、自分が旅に出ている間になにが起きていたのかを今更ながら自覚して、身体を小さくした。