ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「そうだ。エリナ、この香辛料を使って料理してみないか? その、『カレーライス』という食べ物を」

 エリナは、ギギリクの言葉を聞いて驚いた。新しい香辛料を手に入れた料理人が、その初めての料理を他の者に譲るなどとは思えなかったからだ。

「それは、作ってみたいと思います。でも、そのカレー粉はギギリクさんが旅で見つけて、大切に持ち帰ってきた物ですよね。それをわたしが使ってしまっていいんですか?」

 すると、ギギリクは笑った。

「もちろん、俺も俺なりの料理を作るつもりだよ。だけど、エリナはこの香辛料をよく知っているんだろう? 俺は、使い慣れた者が作った料理に興味があるんだ。どうだ、作れるか?」

「もちろんです! カレーライスは料理の基本的なメニューですが、最強のメニューでもあるんですよ。わたしも大好きな料理なんです」

 それを聞いたルディは、瞳をキラリと光らせながら「そいつは美味い料理なのか?」と尋ねた。
 エリナは大きく頷いた。

「はい、とても美味しくて人気の料理です。特に旨味の強いスカイヴェン国のお野菜やお肉を作ったカレーライスなら、食べた人は間違いなくお代わりをすると思いますよ」

「そ、そんなに美味いのか?」

「食べたいなあ、そのカレーライスとやらを」

「ああ、食べてみたい! ぜひぜひ食べてみたい!」

 すると、クールな黒豹で宰相の息子であるヴォラットが、クールに目を細めて言った。

「ミメット、今夜は『青弓亭』を警備隊で貸し切りにして、その新しい料理のお披露目会をするというのはどうだ? そして、ついでにギギリクの帰還祝いもしてやろう」

「ヴォラット、俺はついでなのか⁉︎ この店の店長は俺なんだから、形だけでも俺の帰還祝いをメインにしてくれよ」

 すると、ヴォラットは「じゃあ、形だけな」とあくまでもクールに締めて、今夜のカレーパーティーが決定したのであった。
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