ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 出来上がった大鍋いっぱいのカレーは、味を馴染ませるために夜まで寝かされた。

 もうお昼前から『青弓亭』の入り口には「本日は貸切です」という札が貼られたのだが、カレーの匂いを嗅いだ近所の人は「あんなにいい匂いをさせておいて、食べさせてくれないのか!」とがっかりした。常連である隣の雑貨屋の若主人は、わざわざ顔を出して「ミメット、今日はなにを作っているんだ? めちゃくちゃいい匂いがするんだけど……」と悲しげに訴えた。

「匂いだけで食べられないとか、切ないんだけどなあ」

「すまないな。今日は警備隊の集まりがあるんだよ」

「おう、ギギリク! それじゃあ仕方がないな」

「旅先で手に入れた香辛料でエリナが作った、新しい料理なんだが……」

 小皿で味見をさせてもらった若主人は「もう、これ、絶対に美味いやつだし! 頼むから、明日の夜はこれを食べさせてくれよ」と、涙目になって帰って行った。
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