ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「さあ、帰るぞ」

「はい、ルディさん」

 一日中働いて疲れたエリナを、今日も過保護な狼は抱き上げる。

「それじゃあ姉さん、また明日ね」

「ああ。おやすみ、エリナとルディ」

 まだ夜は更けていないのだが、小さな子猫は早くシャワー浴びてベッドに入らなくてはならないのだ。

「今日も忙しかったな」

「はい。でも、たくさんのお客さんが喜んでくれて、楽しかったです」

 エリナの手には、ハンバーグを食べにやって来た、歯の弱い高齢の熊の女性にもらったスコーンが握られていた。まだ幼いエリナが大きくなるためには、夜のおやつとミルクが必要なのだ。

 家に着いたら、ルディがカップに温めたミルクを入れてくれる。それを飲んでからシャワーを浴びて、フェンリルの尻尾に包まれて寝るまでがエリナのお仕事である。

「うちの家族が、一度泊まりに連れて来いってうるさいんだが」

「そうなんですか。お店の休みの前の日なら行けますね」

「そうだな。だが、ひとつだけ注意しておく」

「なんですか?」

「子猫は、フェンリルの尻尾にくるまって寝ないと風邪をひくものだ。だから、俺以外の奴と一緒に寝るのは却下だからな」

「はーい」
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