ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 孤高のフェンリル、伝説の妖精獣のはずなのに、エリナの前では懐いたわんこよりも残念になる。
 しかし、モフモフを愛するエリナにとっては望むところだ。

「わたしが子猫じゃなくなったら、ルディさんはどうするんですか?」

「……いや、先のことを考えても仕方がないからな! 人は常に、今を見据えて生きるものなんだ」

 キリッとした表情のルディは、まっすぐ前を見ながら答える。

「はい、わかりました!」

 エリナもキリッと前を見て、美味しいスコーンをかじる。



 妖精の力で日本からこの世界にやって来たエリナが、本当は何者なのか。

 彼女がただの子猫であるわけがないのだが、そんなことは『今を見据える』ふたりにはどうでも良いことであった。

 そう、今は。
 まだ、今は。


fin.
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