ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 責められたような気がしたエリナは口をへの字にして、ルディに八つ当たり気味に言った。

「だから、名前しかわからないって言ってます。だいたい、なんで起きたらいきなり狼さんのベッドにいるのか、わたしには全然……え?」

 狼は前脚で、エリナの頭を触った。

「これはなんだと思う?」

 ルディは、エリナの手をひょいとすくい上げると彼女の頭に乗せて「自分で触って確かめてみろ」と言った。エリナが頭を探ると、そこには謎のモフモフしたものが付いていた。

「え? なにこれ、感触があるし、ふわふわ」

 急いでもう一方の手も頭を触る。

「え? え? どういうこと? これってまるで……」

 両手で頭をまさぐっていたエリナは、ベッドの上から部屋を見回して、鏡を見つけた。ベッドから飛び降りて鏡の前に立ち、自分の姿を確認してぽかんと口を開ける。

「み、耳? わたしに耳が付いてる⁉︎」

「いや、普通みんな付いているだろう」

「いや、だって、これって……猫の耳じゃないですか! どうしてわたしの頭に白い猫耳が付いてるの? ええーっ、待って、わたし、どうして?」

「猫だからだろうな」

「わたしが猫! それに、このわたし……」

 鏡の中には、本来の歳よりもずっと幼いエリナが映っていた。
 白い猫耳をぴこぴこ動かして。

「これは確かに子猫だわ……」

(そうだ、わたしは子犬の妖精を助けて、次の世界で人生をやり直すことになったんだ。それで、子犬の妖精がわたしをオススメの世界に連れて行くって言って……)

 エリナは(わたしまでモフモフの仲間入りをしたんだ!)と、鏡の前で立ちつくした。
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