身代わり王女の禁断の恋
っていうか、今の話…

「ねぇ、クラウス、どういうこと?
花婿候補って、何?」

驚く私とは対照的に、さも当然と言わんばかりにクラウスは言う。

「申し上げたはずです。
王女殿下にはいくつもの縁談があると。
王女殿下の花婿となれば、いずれ女王の
伴侶となります。
王子が複数いる近隣諸国は、こぞって花婿に
名乗りを上げております。」

「だって、本物の王女殿下は、未だ目覚める
気配もないじゃない。
婚礼の日になっても目覚めなかったら、
どうするの?」

クラウスはまっすぐに私を見て言う。

「大丈夫です。
王女殿下は必ずお目覚めになります。」

王女殿下の回復を信じるクラウスの気持ちは分からないでもない。

13年も王女殿下一筋に仕えてきたんですもの。

でも、願えば叶うなら、私の父は今も生きているし、母は健康な体になっているはず。

この世には、願っても叶わないことがある。

だけど…

王女殿下の回復を信じてやまないクラウスには、それをいくら言ったところで受け入れてはもらえないに違いない。
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