※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
『聞いて、はるくん。今日の体育、わたしの予想どおりバスケだったよ!』
『賭けはひまわりさんの勝ちだね! 朝は晴れてたから、マラソンかなーって思ってたんだけどなぁ』
『体育のギリギリ前で雨降ってきて、急遽バスケになったの』
『バスケ、楽しかった?』
『楽しかったー! スリーポイント決めちゃった!』
『ひまわりさんが楽しかったの、文字からも伝わってくる』
〝ひまわり〟は、チャット上での私のハンドルネームだ。
そしてはるくんは、このチャットを通して仲良くしている男の子。
会ったことはないけど、多分、同年代くらい。
はるくんと初めてチャットの中で言葉を交わしたのは、かれこれ1年ほど前。
たまたま声をかけられ、何度かメッセージのやりとりをするうちに、すっかり仲良くなった。
そして――優しく温かみに溢れた言葉をくれる彼を好きになるのに、時間はかからなかった。