※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。


走るクラスメイトの波に逆らうように、きっと青くなっているであろう顔をうつむけてよろよろと歩く。


明らかに体調の悪そうな私を横目に、クラスメイトたちはその足を緩めることなく通り過ぎていく。

どうせサボっていると思われているのか、はたまたこれっぽっちも興味がないのか。

まるで透明人間になったみたいだ。


クラスが替わって、卒業して、連絡をとり続ける友人は私にはきっといない。

そんな薄い付き合いしかないけれど、高校というこの狭い空間の中では、群れながら今を生き抜くことがすべてなのだ。


「はあ、はぁ……」


走りゆくクラスメイトの姿も見当たらなくなってきた頃、本格的に気分が悪くなってきた。


力尽きるように道端にうずくまる。


曇った空が、ひどく果てしなく遠い。

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