※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。


だから私は、高校では同じ間違いを繰り返さないと決めたのだ。


わざわざ地元から離れた知り合いのいない高校を選び、暗かった髪は派手な色に染め、校則どおりに着ていた制服はだらしなくルーズに着る。

そして、クラスのカーストトップのグループに入った。

これが一番大事。


クラスのカーストトップにいれば、自ずと友達もたくさんできるし孤立することもない。

そのためには、いくらでもまわりの機嫌をとって合わせてきたし、自分の心は殺してきた。


全部、ひとりにならないためだ。

ああ、あの子はひとりなんだと、そういう目で見られることが一番怖かった。


私はもう間違わない。

絶対に見下されいじめられる"あっち側"にはいかない。





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