※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
このHRをきっかけにみんなが私を無視するようになり、正しいことをしたと思ったはずが私自身が犯罪者になったようだった。
まるで黒と黒に挟まれた白のオセロみたいに私の友達はみんな距離を置くようになり、友情なんて表面上だけで、呆気ないものだと思い知らされた。
教室にいると、みんなが常に私を睨んでいるように思えた。
話し声が聞こえるたび、みんなが私の悪口を囁き合っているかのように思えた。
大人を信じることができなくなり、担任に相談できるはずもなかった。
なにより、ひとりでいることに対して、家族やまわりの子たちからかわいそうだと思われることが堪えた。
そしてそういう人目を気にしてトイレの個室で音を立てないようにお弁当を食べている時。
クラスメイトたちの楽しそうな話し声が響く教室の中、自分の机で縮こまってひとりでいることしかできない時。
そんな自分が惨めで、嫌で、みっともなくて、恥ずかしくてたまらなかった。