僕の庭
お盆が近付いた頃、庭の朝顔は遅まきながら開花を始めた。
添え木をとうの昔に越したツタは、雨どいに絡み、屋根のひさしに届きそうな勢いである。

暑中見舞いにと枇杷を持ってきてくれた真崎さんが、ツタを外して別の添え木に絡めましょうか? と言ってくれたが断った。

今や僕を見下ろすほどになった朝顔を、無理に空から引き離すことはない。
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