僕の庭
僕は足が悪い。

二十代の頃、バイクで事故を起こした時に、右足の感覚を無くしてしまった。

あの時は荒れて、周りに手を焼かせたけれど、もう数十年も昔の話だ。

足の一本くらい、失っても構わない。

僕は不自由な足との付き合い方を覚え、松葉杖を第三の足として使いこなせている。

足が不自由なのも、今は僕の個性だと思えるし、町外れの小さな古い一軒家からほとんど出歩かない生活には、何ら不便はない。

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