僕の庭
「あ、ちょっと待ってくれないか?」


僕は慌てて立ち上がった。
拍子に松葉杖を取り落としてよろめいた。


「あら! 大丈夫?」


佳穂が素早く支えてくれて、松葉杖を渡してくれた。


「ああ、すまない」


僕は松葉杖をしっかりと持ち、少しよろめきながら奥へと急いだ。
茶箪笥の中から目当てのものを取り出し、佳穂の元へ戻った。

< 77 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop