君の隣でみる夢
『赤ちゃんの心臓の音も、赤ちゃんの声も、聴けない』
柚葉は永遠に抱きしめられながら文字を書き続ける。

『私は永遠の声も思い出せない』
柚葉が初めて永遠に伝えた思いだった。


柚葉が聴力を失う前に永遠の声を聴いた。

その記憶も柚葉にはない。

柚葉は涙を流しながら永遠の唇に触れる。

あなたの声はどんな声・・・?

そんなことを柚葉が考えていたのだと知った永遠は抱きしめずにはいられなかった。
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