君の隣でみる夢
「永遠」
柚葉の声に永遠は医学書から横に眠る柚葉に視線を移す。
柚葉は自分の方へ向かって手を伸ばしていた。
永遠が自分の手を伸ばすと柚葉は首を横に振る。
永遠は自分の顔を柚葉に近づけた。

「?」
柚葉は永遠の眉間をさすった。
「しわ寄ってた」
柚葉の言葉に永遠は微笑む。
「そうか?」
「何かあったの?」
柚葉は自分自身のことで永遠が悩んでいることは知らない。
「受け持ってる患者に気になる人がいるんだ」
「そっか」
「うん。体調は?」
「平気」
「よかった」
永遠はベッドのサイドテーブルに医学書を置くと柚葉のお腹に耳をあてた。
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