君の隣でみる夢
「聞いて」
柚葉の言葉に永遠が動きを止めた。
「私に何かあったら赤ちゃんをよろしくね」
永遠は少し考えてから頷いた。
「もしも私がまた・・・忘れちゃったら・・・・」
柚葉の声が震える。
「忘れちゃったら、私の分も赤ちゃんを愛してあげて。私はいいから・・・。」
永遠は体をゆっくりと離した。
涙を流す柚葉の頬に触れる。
「大丈夫。何回柚葉が俺を忘れても俺が覚えてるって言っただろ?」
「・・・」
「また、新しい思い出を作ればいい。いっぱい思い出作って、新しい俺たちの幸せの形を見つけよう」
永遠の言葉に柚葉は頷いた。
「愛してる。柚葉。」
永遠は微笑みながら柚葉の涙を拭った。


「痛っ・・・」
大きな痛みの波に柚葉の体がぐらりと揺れた。
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