キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
いつもだったら、怖い声音も。

今日は、全然怖くない。

だって、想像していたから。

こんな事を言うと、先生はいつも怒る。

『無理するな!』

『自分を大切にしろ!』って……………。

だから敢えて『悠人』なの。

家族として、一緒に歩いて行くパートナーとして抱いて欲しいから。

唯をいつものように、膝にのせて

じっと目を見つめてきた。

ジィ………………………………………。

………………………………………………。

「プッ。」

にらめっこがさめたように、急に笑う先生。

ポンポンと頭を叩いて

「分かった、真剣なんだ。」って………クスクス。

分かってくれたの?!

「唯の真剣な気持ちは、分かったよ。
けど……………………抱かない。」

そう言うと

抱っこしたままゴロンと横に………………ベッドに倒れた。

ホンの数分前には…………

抱かれたいって思ってたのに…………

やっぱりすごく恥ずかしい!

「顔真っ赤。」

そう言って、チュッとおでこにキスをされる。

「抱かないけど、抱きしめる。
あぁ~
やっとここまできたかぁ~」って………………やっぱりクスクス。
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