キンダーガーテン五      ~ここが居場所~

家出

お風呂を出ると

はるかは、ゲージの中で眠っていた。

先生は…………………

リビングの明かりは点いているけど…………

先生の姿は………なかった。

「うっ……………ヒック……………。」

泣いても仕方がないことなのに…………

涙が溢れて止まらない。

………………………………ここに居たら…………ダメなのかな?

携帯と財布を掴んで

夜の町に出掛けて行った。





……………………何処に行こう。

みんなの所に行くと……………

直ぐに先生に連絡が入る。

甘えたらダメだから……………。

目的なくさ迷っていると

「あれっ、唯ちゃん?」と………………。

「園長先生!」

「今は、プライベートだから叔父ちゃんだよ。
おやおや?
涙の跡が見えるよぅ~」

そう言うと

先生がいつもしてくれる…………

頭をポンと撫でて、胸に抱き寄せた。

「え~ん。
……………うっ………………ヒック…………。」

止まっていた涙は

園長先生の登場に、再び溢れてしまった。

「悠人は一緒じゃない?」

泣きながら答えることは、難しく。

頷くことしか出来なかった。

「ヨシッ。
だったら、叔父ちゃんの家に行くよ。」

そういうと、そのまま肩を支えて歩き始めた。
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