キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「ふぅ~
着いたぁ~」

ホテルの部屋に荷物を置くと

ため息が溢れるのも唯だけ。

涼しい顔をした悠君は……

鞄の荷解きを始めて

カメラとビデオの充電をしているの。

ホント………何処に居ても悠君は……先生だなぁ。

クスクス笑う唯に

「お疲れさん。
少しでも早く遊ぼうと急いだから、疲れただろう?
こっちにおいで
もう大丈夫だから、ゆっくり座って休憩しよう。」と

お家と同じようにソファーに座って、膝に抱き上げた。

「今日から3日………
丸々二人っきりだからね。
甘えて頼って………ワガママ言って良いよ。
みんなからの伝言。
『メールも電話も取らないから、しっかり楽しんでおいで』だって。
一応、念のために電源は入れて持ってて欲しいけど。
俺意外の事を考えるのは…………
今から禁止ね。
唯………奥さん。
良い思い出作ろうね。」

何処までも甘い悠君とみんな。

拗ねてワガママだって。

散々言ってるのに……………。

『ごめんね』も『ありがとう』も相応しくない気がして………。

でも、お礼は言いたかったから。

「悠君。
……………………悠人………。
愛してます。」

「……………………………………。」

あれっ?

これって………ハズレだった??

って思ったら。

チュッチュッチュッ……………

「ねぇ~奥さん。
今は何の時間か覚えてる?
新婚旅行だよ。
いくら待つって言っても………
そんな挑発されるとねぇ~
待って欲しいなら、慎みなさい。
………………けど…………。
嬉しかった。
……………………愛してるよ。」

……………チュッ。
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