キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「ほらっ、これも食べて。」

「うん、美味しい。
唯ちゃんもこれ食べて。」と

とにかく唯に勧める悠君。

「だから~
もう食べれないよう。」

お腹パンパンの唯に、ニッコリ笑って

「もう大丈夫?
お腹いっぱい食べた?
だったら、お風呂にゆっくり入っておいで。
しっかり浸かって、温まっておいでね。」って…………。

機嫌は良いんだけど………

なんだか変な悠君。

言われるままにゆっくり浸かって出ると。

リビングにはいないの。

あれっ?

お部屋かな??

コンコン。

「お風呂、上がったよ。」

ドアの外から声をかけると

「うん、今から話す。
……………ごめん………お願いします。」と話し声がした。

どうやら、電話してるみたい。

仕方ないからリビングに戻って、髪を乾かしていたら。

スッとドライヤーが取り上げられ

膝に乗せて、乾かし始めた。

「電話、終わったの?」

「…………うん。」

なんだか泣いてるような声に顔を上げようとしたら………

「ヨシ、乾いた。」と言ってドライヤーを下ろし

膝に抱きしめたまま、唯の首にオデコをくっつける。

「悠君~
くすぐったいよう~」

クスクス笑う唯の後ろで………悠君も振るえてる。

笑ってると思ってたけど……………

………………………………泣いてる?

「あれっ?
悠君!!
どこか痛い?
今日の検査で、辛かった??
ねぇ、悠君。
お顔見せて?」
< 287 / 398 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop