キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
首の後ろにくっついたまま

何の反応もない。

「ねぇ、悠君…………。」

………………………………

「唯………ごめん。
約束……………守れないかも……………。」って。

約束?

何かしたっけ??

「今日、検査したでしょ?
便の検査があって…………
血が混じってるって。
実は、先週一回提出してて。
今日と前回2回とも、血が混じってるからおかしいって。
来週、腸の検査をしないと分からないけど……
痛みがないから……
最悪…………癌の可能性があるって………。
もちろん、まだ分からないんだけどね。
ずっとずっと守るって………。
一人にさせないって言ったのに……………ごめんね。」

……………………………………………。

……………………………………………。

……………………………………………何??

悠君は……………………何の話しを……………してるの?

誰の……………何の話し?

ウソだよ。

うん、何かの間違い。

だって…………こんなに元気なんだよ?

癌って…………

死ぬんだよね?

そんなわけ………………ないよ。

だって……………死ぬんだよ!!

悠君が死んじゃうの??

そんなの嫌だ!!!!

ウソだよ!!!!!!

「いや…………。」

「嫌だよ……。」

「ウソだよね??
ウソだって言って。
ねぇ、悠君。
ウソだよね??
悠君……………死んじゃうの?
ホントに??
唯………一人ぼっちになっちゃうの?
嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……………………あぁ~ん。
悠君!!!
嫌だよ~!!!!!!!」

ポロポロポロポロ涙が溢れて……………

意識が飛んだ。
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