キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「唯…………ごめん。
俺が思うより………いっぱい不安にさせてたんだ…………。
俺は。
もしも自分が癌で置いて行く事になったら………って事ばっかりで。
遺される怖さって………想像しなかった。
死んだら………そこで終わりだけど。
遺された方は……………
その後ずっと一人で生きて行くんだ…………。
淋しくて………悲しくて……………。
もう止めたくても…………ずっと一人で………。
ごめん。
本当にごめんね。
絶対、本当に絶対一人にしない。
あの日、帰って言った『約束を守れない。一人にする。』って言葉は…………。
撤回させて。
絶対絶対一人にさせないから…………。」

そう言うと、眠るまでずっと抱いて頭を撫でてくれたの。

明日の事を考えたら。

甘えて負担をかけるべきじゃないって分かってるけど…………。

明日、どんな結果が出ても受け止められるように。

今日だけは、元気が欲しかったの。

悠君……………。

大好きだよ。

悠君のいない人生なんて…………想像出来ない。

まだ始まったばかりの二人の道は…………。

これから先もずっとずっと続いて行くはず。

夢に出てきた悠君。

待って~って追いかける唯のお腹は…………

少し膨らんでいたように見えた。

だから大丈夫。

この道は、きっとずっと続いてる。
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