キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「一人ぼっちにするなら、初めから優しくしないでよ。
途中で投げ出すなら…………
唯の手を掴んで欲しくなかった。
そうしたら…………
今の幸せは知らないけど………
一人を淋しいと感じなかったし。
一人になるのが当たり前だったの。
温かいぬくもりを与えて…………突き放さないで!!」

わぁ~って…………

いっぱい泣いた。

声が枯れるほどいっぱい。

慌てて立ち上がった悠君が

唯の前に立って抱きしめても………おさまる事はなかった。

ただ悔しくて。

ただ悲しくて。

大好きな悠君に……………裏切られた気がして…………。

「バカバカバカバカ!!!
悠君のバカ!!
大ッキライ。
勝手に落ち込めばいい!!
あ~ん。
悔しいよぅ~!!!
ウソつき!!!」

思いつく悪口をいっぱい言って

抱きついたお尻をポコポコ叩いてやった。






「うぅ~っ…………………。」

言いたいこといっぱい言って。

大きい声でいっぱい泣いて。

出し尽くしたら………………

「別れたくない……………。」って呟いた。

「大好きなんだよ。
一人にしないで。
頼って。
甘えて。
捨てないで……………。」

そう。

今回一番思ったのは…………『捨てないで。』

大切なら…………

何もいらないから。

手を離さないで。

側で笑っていさせて…………。
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