キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
旅立ちの一歩

前を向こう!

結局あのまま眠ったみたいで………

朝を迎えた。

多分、唯のこんな所が悠君を不安にさせてるんだろうな。

大好きな人を支えたいのに。

自分の主張だけして

泣いてはぶてて………困らせた。

いつも後で思うのに…………。

もう少し、大人の対応が出来なかったの?って……………。

着替えを済ませ

悠君のいるリビングに向かうと…………。




「おはよう!」と

外の天気と同じくらいキラキラとした笑顔で挨拶された。

えっ?

昨日………別れるってケンカしたんだよね??

「………………おはよう。」

「今日は、俺が朝ごはんを作ってみた。
………………って言っても………
ぐちゃぐちゃの目玉焼きと黒くなったハムだけど………。」

えっ?

悠君が料理??

何でもそつなくこなせる悠君だけど。

料理だけは………壊滅的。

袋ラーメンで、お鍋に焦げが出きるんだもん。

なのに何故??

聞きたいことは、いっぱいあるけど………

取り敢えずキッチンが心配になって………急いで行ってみる。

「………………………。
………………………どうしたの??」

そこは、泥棒に入られたような有り様で………

ただ、テーブルの上には

黄身の崩れた半焼けの目玉焼きと、油を注さないで焼いただろうハムが

唯と悠君のお揃いの食器に並んでた。
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