キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「お詫びのつもりだったんだけど………………。」

申し訳無さそうに、上目遣いの顔がツボに入り………

大笑いしていた。

「ちなみに…………」

そう言うと、唯の手を引き洗面所に。

「えっ?
…………………………。」

そこも酷くて………。

床が所々水で濡れてて

隅には、塊のシーツが…………………。

「洗濯しようと思ったんだけど………
前と洗剤が変わってて、一旦シーツを取り出してたら水がこぼれて………」

どうやら、洗剤のつもりが柔軟剤を大量に入れたらしくて

一度洗濯物を出してやり直そうと思ったらしい。

「ぷっ。
プププッ………………
アハハハ。」

いつも頼ってばっかりで、申し訳ないって思ったけど……。

現実は、唯にも出来てる事がいっぱいあったみたい。

昨日あれ程ケンカしたのに。

馬鹿馬鹿しくなるほど笑ってて…………。

いつか今日の事も思い出になるのかなって思えたの。

「唯ちゃん。
昨日は…………本当にごめんなさい。
唯ちゃん無しだと………
本気で無理だよ!!
だから………………俺を一人にしないで下さい!!」

そうだね。

唯は、自分が一人になる不安ばかりだったけど。

唯が一人になるって事は………

悠君だって一人だよね。

お互い一人になるんだったら…………

病気なんて気にしないで、ずっと二人でいればいい。

いつか一人になる時まで………。
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