キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「唯ちゃんにからかわれた…………。
けど……本当に強くなったね。
洋ちゃんの言った通りだ。
可愛いままなのに………
芯の部分が………とっても強くなってる。
ごめん…………。
もう俺が、守る必要なんてないね。」

えっ?

守る必要がない……………って……………。

まさか本当に離婚を考えてる??

「嫌だ!!
離れないで!!」

泣きながらくっつくと。

「えっ??
何??………なんの事??」って…………。

「だって、もう悠君が守る必要がないって…………。」

必死にしがみつくと。

「あぁ、ごめんごめん。
誤解だから。
別れる気も、離れる気もないから。
俺が言いたかったのは………
ただ守るだけじゃなくて…………
これからは、俺も頼っていこうって思ったの。
頬っぺたのパチン!も。
『手を離すくらいなら、初めから優しくしまいでよ!』も………
スッゴク効いたから。
結婚式……………。
俺は、延ばす事しか考えてなかった。
唯ちゃんを幸せに出来ないって………いじけてた。
まさか、皆の前で誓おうって言われるなんて…………。
今回の病気…………。
俺達夫婦が、新しく進むために必要な時間だったのかもね。
……………………ありがとう。」

まだ結果も出てないけど…………

自分達の未来は、見えてきた。

だから大丈夫。

まだ…………いっぱい泣くだろうけど。

不安で…………ケンカするだろうけど。

唯には、悠君とみんなが…………。

悠君にも、唯とみんながいるから…………大丈夫。

大切なみんなが、安心してくれるように…………

いい笑顔で、結婚式しようね。

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