キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
そうして、今日は手術当日。

朝早くから看護師さんが部屋を訪ねて来て。

麻酔や点滴の準備が始まった。

「痛い~!!」

点滴を何本もするから。

前もって、針を刺して準備しておくみたいなんだけど……

点滴液を入れるための針だから、太いの。

注射って………

いつも思う事だけど………。

せっかく元気な場所に、わざわざ針を刺して痛くするのって………

なんだか納得がいかない。

…………とはいえ、悠君の腕にはその針が刺さっていて…………。

見てるこっちが痛くなってくる。

「ほ~ら、泣かないの。
今からそれだと、手術が終わって病室に戻って来たら大変だよ。
酸素吸入もするし
痛み止の点滴もあるんだから。」

本人以上に痛く感じて………

怖さと合わさって涙が止まらない。

「悠君が可哀想~」

泣きじゃくる唯に

「だったら、代わってくれる?」って…………。

えっ?!

代わって…………って………………。

唯が、手術や注射??

無理無理無理無理無理無理。

悠君の辛さを分かってあげたいけど…………

それだけは…………………無理!

ブンブン首を横に振れば………。

「俺だって、唯に代わってもらうのは無理。
それなら、いくら痛くても………
自分が受けた方がよっぽどまし。
だから、唯ちゃんは………
笑ってて。」

こんなギリギリの時でも………

唯を一番に考えてくれる悠君。

だったら、唯は奥さんとして………

悠君の辛さと痛みを受け止めるね。

泣き笑いの唯を抱きしめて。

「これが本当に最後かなぁ?
今度は、手術が終わって元気になってからね!」

そういうと

チュッ、チュッチュッ。

出来るだけいっぱいキスをした。
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