キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
コンコン。

「悠君、おはよう。」

朝が早いから…………静かに声をかけて入室。

………………………………あれっ??

………………………悠……………君??

お部屋を見回しても……………ベッドどころか…………

何処にも姿が見えない……………。

「…………悠………君??」

キョロキョロしながら、歩みを進めると…………

「唯ちゃん。」って…………

後ろから、ギュッと……………。

………………………………………………………

…………………………………………………………

……………………………………………「ヒッ………………うぇっ……………ヒック………」

「えっ?!
あれっ?!
ちょっと…………唯ちゃん??
ごめん!!
びっくりしたよね???
ごめんね!!」

焦る悠君に

「あぁ~あ。
なぁ~かした、泣かした!
悠人が、なぁかした!!」って………

幼稚園児のような節をつけてからかうお兄ちゃん。

振り向くと

悠君をお兄ちゃんが支えてて。

「…………………悠君が……………立ってる……………。」

再び泣き出す唯に

「『クララが立った~!』みたいな台詞。」って…………

今度は、洋介さんが棚の後ろから顔を出す。

「ごめんね、唯ちゃん。
こんなに驚くと思わなくて……………。
お仕事頑張ってるって聞いたから………
俺もリハビリを頑張ってびっくりさせたかったんだけど…………。」って……。

確かに、びっくりして泣いちゃったけど………

それは…………嬉しいびっくりなんだよ。

だって…………

起き上がるだけでも、お腹に力を入れると痛いって聞いてたのに。

立つって………………

スッゴく努力してくれたんだもんね。

「………悠君………ありがとう。」

「ありがとうは、こっちだよ。
俺の分まで、お仕事頑張ってくれてるって……聞いたよ。
それより…………
そろそろ座っていい?
まだちょっと痛い………。」
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