キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「唯ちゃんに『成長した』って言われるのは~なんて笑ったけど………。
確かに。
唯ちゃんだから言えた言葉だったのかもなぁ~
誰より成長した、唯ちゃんだから。」

「そうだよね。
唯ちゃんは……………何も変わらないけど。
誰よりも変わったよね。」

「可愛い唯ちゃんのままなのに。
今では…………みんなの中心だもんね!
唯ちゃんによって………
みんなが変わってるんだもん。」

「確かにねぇ~
恋愛も、仕事も……………
スッゴい影響を与えてるもんね!
あたしなんて…………
頬を叩かれて…………航と結婚までしたんだよ!」

そう言って笑うのは…………海晴ちゃん。

変わってないけど………変わった。

うん、そうだね。

だって……………人を信じれるようになったもん。





「あっ、それ…………私の!!」

彩ちゃんの急な大声にびっくり!!

……………。

よく見ると………彩ちゃんのコップだった。

「あっ、ごめんね~」

謝る唯に…………

目をパチクリのみんな。

えっ??

「はい、唯ちゃん。」

横から伸びてきたのは…………………

海晴ちゃんが差し出した…………いつかのポッキー。

あぁ~!!

本当に…………成長してる。

あの頃は、大好きなみんなと『半分こ』が出来なかった………。

「うふふ。
ホントだね!」

「唯ちゃ~ん。」

抱きつく海晴ちゃんの目には………

うっすら涙が浮かんでた。

ごめんね…………。

寂しく悲しい思いをさせてたんだね…………。

「みんなみんな…………大好き。
愛してます。
唯は……………幸せだよ。」

大好きな人たちに囲まれて……………今年のクリスマスが過ぎていった………。

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