キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
……………ふぅ~っ。

思わず出てしまうため息。

何とかご飯を作り終え、一緒に食べ始めても。

昔よく怒られた時に

「後で話しがある」って言われた場面が頭をよぎり

落ち込んだ表情になってしまう。

とうとう先生にも

「どうしたの?」って心配されて。

…………………………。

自分がダメダメな事は分かっていたはずなのに。

態度にまで出してしまい。

先生に嫌な思いまでさせてしまった…………と思ったら。

益々落ち込み………。

我慢しきれず、涙が落ちてしまった。




「あれっ??
どうしたの???
何処か痛い?
もしかして、前に出来たたんこぶがまで痛む??」

夕ごはんを放り出して、唯の側に駆け寄ってくれる先生。

頼りなくて…………ごめんなさい。

首を振ることしか出来ない唯を

いつものように抱き抱え

ソファーに座って、横抱きにしてくれる。

「…………………ご飯…………。」

食べてる途中で泣いてしまったから………

先生…………ほとんど食べてない。

「唯ちゃんよりも大切な事はないって
いつも言ってるでしょう。
ご飯なんて、後でも大丈夫。
それより……………
何がそんなに悲しいの?
確か………帰って来た時は、ご機嫌だったよね?
もしかして、ホントに体調が悪い?」

こんなに優しい先生に心配させて……

ご飯まで我慢してもらうのは申し訳ないから。

今の気持ちを伝える事にしたの。
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