キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「はぁ~い。」

残念な気持ちが、声に出ていた先生は

いつもより、低い気がした。

「あの…………悠人君?」

「えっ!
あっ…………お義父さん??
すみません。
直ぐに開けます。」

慌てる先生の先にいたのは…………

お父さんだった。

「どうぞどうぞ。」

「遅くからすまないねぇ。
忙しかったんじゃないの?
唯にメールと電話を入れたんだけど出ないから………。」

キスしてましたなんて言えない先生は

「結婚式について話してたんですよ。」と。

クスクス。

笑う唯を睨んで

『メッ!』って、幼稚園で子供たちに言うように注意して

愛想笑いを浮かべた。

「あぁ、それはちょうど良かった。
実は、私が今日急に来させてもらったのも………
結婚式の事なんだ。」

お父さんの言葉に

さっきまであった唯の笑顔が消える。

…………………多分、この間唯が『いいよ』って言ったからだよね?

お父さん…………あの人と結婚するんだ…………。

先生もそう感じたみたいで。

そっと唯の手を繋ないでくれた。

……………大丈夫。

ちゃんと祝福できる!

そう思うのに、いざお父さんの口から聞くと思うと………

やっぱり緊張する。

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