キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「尋、マイクを。」

尋ちゃんにマイクを渡せという和也さんと

それを無視して続ける尋ちゃん。

聡い人は………

和也さんの『尋』に気づいたかもしれないけど………。

動揺が大き過ぎて、そこまで騒ぎになってないみたい。

「『お正月明けに籍を入れて結婚しました。
これで少しは、堂々と表を歩けるかと思いましたが………
やはり皆さんの事を思うと…………
未だに歩けてません。
今回、こんなお話しをしたのは………
来月結婚式を挙げるからです。
その前に、キチンとお伝えして………と。
非難は沢山あると思います。
お叱りも受けます。
けど………
先生は………
嫌いにならないで下さい。
お願いします。』
以上が、私の相談です。
……………………すみません。
これは、私自身の内容です。
お相手は………先生です。」

マイクを今度こそ奪い取って

尋ちゃんを睨む和也さんを紹介した。

「今、彼女が話したことは………
半分本当です。
もちろん、籍を入れたことも
来月結婚式を挙げることも事実ですが………
彼女の一方的な片想いではなかったので………。
教師としては、あるまじき行動だと非難されて当然です。
私は、受ける覚悟です。
本当に申し訳ございません。」

そう言って、深々と頭を下げた。

「以前、何度か私の恋愛について
生徒の皆さんに、答えたことがあると思います。
もちろんそれは………彼女の事です。
バレンタインに頂くチョコレートを悩んだ事もありました。
彼女は…………
友達に恋愛相談が出来ず、苦しみに耐え
幾度となく彼女を泣かせてしまいました。
勝手な言い分ですが………
そんな彼女を、笑顔にさせたくて
今回この同窓会を開催しました。
ここで皆さんに自分たちの事をお伝えし
もし、数人でも理解して下さる方がいたらと…………。」

自分の言葉で誠実に伝えようとする和也さん。

そんな、苦しそうな和也さんを救ったのは………

いつもマイペースな樹さんだった。
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