放課後の続き
「こんにちは。
隣…………良い?」

俺の登場に仮面を被り、警戒心をあらわにする。

出来ることなら、ソッと見守りたいのだが………

さっきから

カメラ片手に彷徨いている男の姿が。

「何かご用ですか?」

針ネズミのように、刺々しい彼女に笑いそうになりながら。

「誠次のお友達だよね?」と声をかける。

誠次とは…………

今まさに、彼女が応援していた相手なのだ。

「えっ!?誠ちゃん?
誠ちゃんのお友達………………です……か??」

少年野球に汗を流す誠次とは

全く接点の見えない俺の年齢に戸惑う彼女。

それでも、一番信頼している人物の名前が出たことで

刺々しさは、引っ込んだ。

「アイツ、俺の弟みたいなもんなんだ。
俺の影響で野球を始めたから…………
たまにチェック入れてるの。」

「あぁ!!そうだったんですね~
私、山本夏苗です。
誠ちゃんとはご近所で、妹のように遊んでもらってます。」

知ってるよ!

この時間も、誠次が作り与えたものなんだよね?

頑張りすぎる彼女を心配して

ご両親を説得して、勝ち得た一時間。

毎日一時間だけの自由時間。

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