放課後の続き
「あっれ~?
春ニイ来てたんだ!
どう?!
俺!!カッコ良かったでしょう?!」

仔犬のようにまとわりつく誠次をあしらいながら

「ホイッ
これ差し入れ。
夏苗ちゃんにも分けてあげな。」と

お菓子の入った袋を差し出す。

中を覗き込んだ誠次は

「ヤッタネ!!
おい夏苗、喜べ。
ポッキーにオニギリせんべいに、オットットもあるぞ。」と

おおはしゃぎだ。

「誠次。
俺…………大学が忙しくなるから
当分サヨナラなんだ。
俺が居なくても、野球辞めるなよ!
お前は自由に出来るんだから………
やりたいことをやれ!」

俺のアドバイスを何処まで聞いているのか

早速ポッキーを開ける誠次を無視して。

然り気無く辺りの気配をうかがった。

もう、男の姿は見当たらないな。

「ヨシ!
じゃあそろそろ行くかな。
二人とも、気をつけて帰れよ。」

「春ニイ、サンキュウ!」

「あの…………
ありがとうございました。」

無邪気な笑顔を見せてくれる彼女に微笑み。

次に逢うのは…………何処でかな?

次に逢う時も『この無邪気な笑顔が見られれば良いのに』と

祈りながら土手を後にした。
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