放課後の続き
「それで?
あれから夏苗ちゃんには、逢えたのか?」

ウチで3日過ごし、その後自宅で養生している夏苗ちゃん。

『会ってキチンと謝れ!』と誠次には言っていたのだが…………。

2日経った今も、誠次から報告がないから呼びつけた。

「……………………いや。
毎日見舞いに行ったけど…………
夏苗が会いたくないらしくて…………。
メールしても、手紙を預けても返事がないんだ。
読んでくれてるのかも、分からない。」

まぁ、それが普通だろうなぁ~

あんなに好きで、一途に思っていた相手が

彼女がいることさえ知らされずに

いきなり目の前で、キスシーンを見せられたら………

夏苗ちゃんじゃなくても

ショックを受けて寝込んでしまうだろう。

ましてや、その相手が会いたいと言っても………

立ち直っていないのに………ムリだと思う。

これ以上傷つきたくないもんな。

「ハル兄!
どうしたら良い?!
あんなに泣いた夏苗を初めて見た。
……………なんで………
あんな事……………したんだろう……………………。」

早まったお前が悪い!って言うのは簡単だけど…………

コイツは、コイツなりに。

夏苗ちゃんを守ろうとしたんだよなぁ。

璃子と子供の事を、人伝に聞くぐらいならって

思った結果だもんな。

ただちょっと、焦りすぎただけで……………。

< 38 / 166 >

この作品をシェア

pagetop