放課後の続き
あの日を境に、誠次からメールがしょっちゅう

届くようになった。

『あのアホが、休み返上でバイオリンの練習をする。』

『指を傷つけたくないからと、野外活動を休むと言ってる。
大切な思い出を作るチャンスを無くして………
何がしたいんだ!!』

『一時間の自由時間を削って、習い事をもう1つ増やすと
おじさんが言っていた。
夏苗も納得していると……………。』

『娘を自分の駒のようにしか考えていない!!
アイツは、山本家の跡取りでも
次期社長でもない!!
中学生の女の子。
山本夏苗だ!!』と

日増しにイライラした内容のメールが届くようになった。

誠次が怒る気持ちも分かる。

妹のように思い、可愛いがり……

大手学習塾の跡取り娘ではなく

山本夏苗と言う………一人の女の子と接してきたのだから。

彼女が少しでも、年相応の生活が送れるよう………

同じ年頃の女の子達と一緒の経験が出来るよう………

考え、行動してきたのだから。
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