【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
それから俺は、烈火というチームの倉庫に連れていかれた。

その当時は泉は中3になりたてで、俺は中1だった。烈火は海斗さんという人が総長だったが、海斗さんは高校をこの春卒業したので、次の総長がもう決まっていた。


それが俺を助けてくれた泉だった



「お前、行くところあんの?」

そう聞かれ首を横にする

もう友達のところにも戻れない

家にも帰れない


何より、俺は…


「強くなりたい!!!!」


なら俺についてこい

泉だ、と名乗った金髪の男は、後に、俺の憧れで、大事な家族になった


地獄の中から助けてくれた



そして杏も


女だというだけで避けていたのに、仲間だと言って助けてくれた。

あの日俺もやり返せなくて、泉も殴りたいけど殴れなかった、あの女を


躊躇いもなく殴り飛ばしてくれた


俺を救ってくれた
泉と同じように、大丈夫とそう言って、あの女の前に立ってくれた。

だから話そうと思った。俺の過去の話を、トラウマを。
未だに震えるけど、少し気が楽になった。


だって烈火がいるし、それに杏もいる


無敵な気がしたんだ

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