【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
杏に、関わらないでほしいと言う顔をされるのが、とても怖い
距離を取られてる気がして、怖くなる
帰ろう
そう言って外へ出た
あぁ
嫌われるとか、そんな事を考えずに行動できればいいのに
慧の話を聞いたから余計…
自分の気持ちを抑えるのに戸惑った
学校から出た時電話が鳴る。ほっとした
この空気を変えたかったから
杏を見ても、あれから特に変わったことはなく、倉庫へ行くのも素直にきてくれた。
……切り替えなきゃな
今からは杏を喜ばせるために頑張らなきゃ
バイクの後ろでためらいもなく、俺の腰に手を回す
はぁ…
杏の優しい香りがする
俺ってこんなに弱かったっけな
杏の笑顔を守りたい。でも悲しい顔をしてる時に、不覚聞いていいのか迷ってしまう
突き放されると…自分が辛い
でも嫌われてもいい。杏が泣く理由は聞かなければいけない。
だって、助けてって言ったから
倉庫に着くと杏はいち早く異変に気付く
「静かすぎひん?」
パッと雰囲気を変える杏は、緊張しているようだ