【全巻完結】愛は惜しみなく与う①

誰もいない教室に2人


俺を眺めていた杏はすぐに寝てしまったが


そのあと変化に気づく


ツーーと杏の目から涙がつたう


「え?」


可愛い顔をしてスースー眠っていた杏は、突然泣き出した

少しうなされているよう…


立ち上がり杏のそばに行き名前を呼ぶが目を覚まさない



そして小さく呟いた



「た す け て…」



その言葉を聞いた瞬間、身体が勝手に動いていた。

「杏?大丈夫か?杏!」


少し強めに肩をつかみ揺する
このまま寝かせてたら、ダメだ
そう思った


杏が…助けてって言った


普段じゃ絶対言わないのに



「杏!!」



大きな声をだすと、杏は、んーといい目を覚ます

あれ?泉?そう言い、少しボーッとしているようだ

でもその頬には涙の跡が…
咄嗟に手を伸ばしその涙を拭う


杏は、欠伸をしたからと言ったが…違うのに


でも杏の、これ以上聞かないでほしいと言う圧に、それ以上突っ込んで話せなかった




あぁ…俺も弱いな
< 408 / 425 >

この作品をシェア

pagetop