【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
目の前に落ちていた…いや、倒れていたのは
金色の髪をした男だった
てゆうか…
「え?血だらけやん!どないしたん」
額から血が流れているのか顔が血だらけの男はぐったりしている。
え、これ救急車呼ばなあかんやつやんな?
駆け寄って
そして後悔した
「うるせぇ、声でかいんだよ」
はーーーーー?なんやねん、こいつ
人が助けてやろうって時に!!!
「あんたな、自分の状況わかってんの?わかった上でその発言なん?」
あたしの優しい親切心かえしてくれ。
ギロリと睨まれたが、関係ない
あたし悪くないもん。
男の側にしゃがみ、顔を覗き込むと、あらまぁ!!イケメン!!!
ってそんなこと言ってる場合ちゃう
「すっ転んだん?救急車呼ぶで?」
話しかけても応答しなくなり、携帯をだして救急車を呼ぶ
えっと…
1・1・9
ボタンを押して耳に携帯をあてがった瞬間、男は立ち上がりあたしの携帯を奪う
「……返して」
「見なかったことにして立ち去れ」
そうボソっと言って通話が切られた携帯を返して、手は猫でも追い払うかのように、シッシッとしている