たったひとこと
03:変ワラナイ!?日々
「お…はよ!」

珍しく早起きした陽菜は、新聞を取りに出た玄関で、向かいの家の玄関にいる、同じく新聞を取りに出た直希と目が合い声をかけた。

「…おぅ。」

そっけなくかえす直希。

家に入ろうとする陽菜。

「あっ…と…珍しいな!陽菜が早起きするなんて。今日は雨か?」

直希は何とか絞り出した嫌みで会話を続けようとする。

「…晴れだよ。」

新聞を広げ天気予報の欄を冷静に指差し陽菜が答える。

そして直希に背を向け家の中に消えた。



「……なんだよ。」

直希が一人呟く。

直希の頭上、天気はやはり、晴れのようで。


しかし地上、ここだけ晴れない心、



ひとつ。
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