5分以内で読めるショート・ホラー集
だから私たちは結託して、彼女に思う存分の文句を吐いた。
乱暴な言葉も使ったし、手を出してしまう女子もいた。

でも、マリナが手を出されるのも仕方ない気がした。
なにを言っても「え、なんのこと?」みたいな、とぼけた顔をするのだ。

別にこれは、イジメなんかじゃない、はずだ。
マリナにも非があって、私たちはそれを指摘しただけだ。
そして、言葉で伝わらないような相手には、相応の手段が必要だ。

体罰を振るうことで馴染みの体育教師がいる。
マリナの態度を見てると、あの先生の気持ちも理解できた。話の通じない人間には、手を出したり脅したりするしか、ないのだ。

そんでマリナはぼろぼろになって泣き出して、
「ごめんなさいごめんなさい」を繰り返しながら、教室を出て行ったのだ。


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