夜明けのレモネード
余程疲れていたのか、次に目が覚めたのは夕方だった。


淡い夕空。


……私の大好きだった、金木犀ジャムみたいな色。おばあちゃんはレシピを決して教えてはくれなかった。自分で盗め、ってわけでもなかったけど。


やる気の起きない、寝ぼけた瞳で空を見ていたら、こんこんとドアをノックする音が聞こえた。



かなり、控えめな感じで。



……お客さん?


おそるおそる近づき、ドアを開ける。



そこにいたのはーー。


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